環境NGOにおけるSNSの利用

環境NGO ezorockでは、昨年からソーシャルネットワークサービス(以下SNS)を使った情報の共有化/流動化をすすめてきました。もともとはメーリングリスト(以下ML)や個々のダイレクトメールを利用して情報を共有していましたが、組織の規模が大きくなり活動のスピード感も増していく中で運用の見直しが必要となり、オープンソース型のシステム(OpenPNE)の導入を提案したものです。ML運用時に問題だった点とSNSによる改善、今後の展望をまとめます。
ML運用時の問題点
- 一つの話題を追いにくい
MLには様々な話題が平行して流れます。繁忙期になってくるとみんながみんな自分の担当しているセクションの情報を共有しまくるので、まさに怒濤のようにメールが送られてきてしまい、自分に関係する話題を拾うだけで一苦労です。
- 発言の訂正が大変
メールは一度送信してしまうと訂正が出来ないため、一部間違った情報を流してしまった場合には訂正のためにもう一度メールを送らなければならず、同じ情報のバージョン違いが発生し混乱のもとになります。前述の繁忙期にはなおさら問題です。
- データの取り扱いが心配&面倒くさい
MLは最終的に各自のローカル環境にログを保存することになり、セキュリティ的にもアクセシビリティ的にも不自由です。具体的に言うと、メールを保存していたノートパソコンを家に忘れてきちゃったり、最悪の場合無くしたりと言ったリスクがつきまといます。
- 進捗状況や活動内での位置づけを表す情報がない
NGOやNPOにおける活動は、営利企業のそれとは異なり理念や過程が重要なファクターになります。企業内活動以上に自分の行う活動が他の活動とどのように関係し進捗はどうなっているのかを共有する必要があります。しかしメールでのやりとりにおいては、前後関係や従属関係を示す付加的な情報を付けることが難しく、結局口頭による伝達で補完しなければなりません。その口頭伝達もログが残っていないので、後から見返すこともできないのです。
SNS導入後の改善
- 情報のコントロールが可能に
カテゴリ>コミュニティ>トピックと3段階のディレクトリを保持できるようになったので、情報が整理され、「コミュニティへの参加」というゲートを設けることで情報の流れを自分の意志でコントロールできるようになりました。
- 発言の訂正が容易
書き込んだ情報を直接修正できるので、常に最新の情報を共有することが可能になりました。またレスポンス先を明確にできるようになったためWEB上での議論が効率的になり、議論はSNS上で行い最終的な意思決定のみミーティングで決めるワークフローが実現しました。
- データへのアクセスがより簡単に、多少セキュアに。
SNSはデータを全てサーバのデータベースに保存するので、インターネット回線につながった端末であれば、どこからでも情報にアクセスが可能になります。また携帯電話からのアクセスにも対応し、若年層メンバーの比率が高いezorockの実情にもうまく合わせることができたのでは無いかと思います。
もっとも、人材の育成が団体の根幹となる活動であることから、コンピュータリテラシーの向上は今後力を入れなければいけないところだとは思います。当然SNSにはログインが必要になるため、セキュリティ的にもローカルにPOPメールが保存されているよりは安全になっています。
- 個々の活動(話題)の相対的位置が明確に
繰り返しになりますが、カテゴリ>コミュニティ>トピックと3段階のディレクトリを保持できるようになったため、スレッド形式で情報をまとめることでプロジェクトの進捗が把握しやすくなり、前述のディレクトリ構造によって組織における活動の位置づけを体系的に整理することができるようになりました。
- その他
全ての活動をSNS上に反映させるため、知りたいと思えばだれでも全ての活動内容を把握できることになります。意思決定の透明性を確保する上でも重要なアドバンテージになります。
メールを流すほどの話題でもないけど・・・という雰囲気で表に出てこなかった情報が気軽に発信できるようになったとの意見もありました。
今後の展望
- Google Appsのドキュメントと連携してオンラインでの共同作業をもう一歩踏み込みたい。
※現状はまだ一部の人がドキュメントの共有をしているのみ - プロジェクト終了、もしくはある程度成果がまとまった段階でスレッドの中身を簡単な報告書としてまとめられるようなワークフローを作っておくと、色々便利なんじゃないかと思う。
導入当初の目的はだいたい達成できたと踏んでいるので、運用を続けながら少しずつ改善していこうと思います。
いきなりネタ切れそうなんで、次回はインタビューでもしてみようかな。






